沖縄県議選結果
翁長知事を支持する候補者が過半数。24議席から27議席へ拡大。一方、翁長知事に反対する勢力(自民党)は15議席、6議席が中立。与党は議会の安定多数を確保したと。
中立とはいってもその中身は公明党と維新なので、どちらかというと野党より。公明党は国政の方に逆らって辺野古の基地建設に反対していて、維新は内心では基地を作ってその利権にあずかりたい土建屋がバックにいる。
なんぼ沖縄の世論が反米軍基地に偏っているからと言って、土建の組織票が固い自民党が強いのは変わらず、知事派の議席が、そもそも伸びるのかどうかすら怪しかった中では意外と伸びた、というほかない。
ユニークな結果となったのは浦添市区。4議席に対し7候補。3議席を与党系、1議席は公明党で、土建系の3人が全滅している。新興地のため革新地盤ではあるものの、現職の維新候補が落選し、新人の社大党候補が当選というのは大きいだろう。
さらに象徴的なのは、民進党(旧民主党)が沖縄県議会から完全に消滅したことだろう。唯一の公認候補(那覇市・南部離島区)も落選、隠れ民主党の無所属現職議員(島尻・南城市区)も落選、という結果である。
これはおおむね当然の結果とも言える。一時期は民主党そのものが新基地建設に反対する立場で支持を集めていたが、鳩山が外務・防衛官僚に敗北して民主党自体が転向してから支持は減っていった。下野して以降はただ自民党を攻撃したいがために沖縄の側に立っているようにふるまっていたが、そのような虚飾は沖縄県民には見透かされていた。
しかし公明党のように県本部が県民の立場からの主張にブレが無ければまだ生き残りもしただろうが、民主党の沖縄県連は中央には逆らわない姿勢を取り続けた。
その悪い姿勢が顕著に出たのが、国会でのかりゆしウェア着用を攻撃した事案である。
自民党の議員がかりゆしウェアで国会に出席したことに対し、民主党はかりゆしウェアを、「正装とは認めない」として攻撃した。共産党ですらかりゆしウェアは正装であると認めていたのだが、民主党は自民党攻撃のためには沖縄差別すらいとわない、という愚かな立場をとった。
さらに愚かだったのが民主党の沖縄県連である。即座に党本部に抗議すべきであったが、あろうことか党本部を擁護する「説明」を行ったのである。いざという時に県民の側に立たないという姿勢を示したことで、民主党沖縄県連は信用を失ったのである。
政権を取った後に転向し、議席を失った前例としては社民党(旧社会党)があるが、こちらは沖縄県ではまだ支持を失っていない。民主党沖縄県連はなぜ自分たちが議会から追放されたのかをよく考えるべきだろう。